「学びを取り戻す」 熊本工業高校定時制 藤川 秀一 [通信原稿]
熊本工業高校定時制に赴任して1年余り。2月の4年生卒業試験現代社会で以下の設問をした。生徒たちの文章から、彼らが学び(いわゆる知識の獲得だけでなく、教室空間での人間関係形成も含めて)を取り戻す様子が浮かび上がってくる。そこから定時制教育の豊かさと可能性を読み取ることができるのではないだろうか。
Q小学校・中学校・高校での学習(授業を中心に)を振り返り、それぞれの時期での あなたの学習の様子を述べてください。また自分の学習に関するちからは、どの時が一番伸びたと思うか具体例をあげて説明して下さい。
(原文のまま)
[機械科4年]
【A】
小学校:勉強ををまともにしてません。
中学校:授業中も音楽をきいたり友達と話したりねてたりしてました。
高校:高校でやっと勉強をはじめました。
[具体例]
小学校・中学校は学校に行くだけで学年が上がれたので、そんなに勉強のことを気にしてませんでした。でも高校になったらちゃんと勉強をしないとしんきゅうができなくなるからちゃんと勉強をはじめました。
【B】
小学校:まともに、学校にすら行ってませんでした。
中学校:学校にいても勉強という勉強はせずに、マジメに授業を受けていませんでした。
高校:マジメに授業を受けていたと思う。
[具体例]
自分は学習に関してだけでなく、他の事も高校に入ってからが一番伸びたと思います。それまで学校にまともに行かず勉強という勉強をしていなかった自分が高校に入ってからは心を入れかえて、マジメに授業を受けたところ、それまでは考えられないようないい点数をとれるようになりました。
【C】
小学校:まじめにうけていました。しゃべらずに先生にあたえられた課題をこなしていました。
中学校:まったく学校に行かずに遊んでました。たまに学校に行ったとしても机の上で寝てました。
高校:初めの2年間はたまにさぼってましたが、後の2年はがんばって全部いきました。
【D】
小学校:1、2,3年生までは学校に行き、4,5,6年からは行かなくなった。
中学校:中学もほとんど行かなかった。
高校:ほとんど休まないで今まで来た。一番のびた。
[具体例]
学校に来ること、授業をうける事が、今までとは全然違い勉強をすることでのびた。
【E】
小学校:普通に授業を受けていた。
中学校:あまり授業を受けてなかった。
高校:普通に授業を受けていた。
[具体例]熊定に入った時、赤点になるのが嫌だったから勉強した。
[電気科4年]
【F】
小学校: 小学校の時は普通に授業を受けて普通に理解できていたと思います。小学校の授業はちゃんと聞いていれば理解することができていました。
中学校:中学時代はほとんど学校に行ってなくて、家庭でも自分で勉強することはありませんでした。だから、たまに授業を受けても内容が理解できていませんでした。
高校:高校に入ってからは、先生がしっかりと中学でならうような基礎を教えてくれていたので、中学でのおくれを取りもどせました。
[具体例]
私は、高校に入ってからが一番勉強に対する力がついたと思います。高校一年生の時には平均的な点数がとれるようになり、それから高い点数をとって、自分はやれば出来るんだと思えるようになりました。それからは高い点を取らないと気が済まなくなり、勉強って楽しいんだなと思えるようになっていきました。
【G】
小学校:問題を理解していくことが楽しく、自分から進んで学習に取り組んでいたと思う。
中学校:理解することが難しくなってきて、なかなか勉強することがなかった。
高校:専門的な勉強は入学してすぐの時期は頑張っていた。
[具体例]
高校に入学した一年目、中学の時に勉強してなかった分、少しは取り戻そうと努力した。
【H】
小学校:正直、小学生の時自分が真面目に勉強していたかどうか、あまり覚えていません。たぶん授業中は寝てばかりいました。
中学校:中学校では数学とか英語が出てきて理解できず、全然授業についていけませんでした。
高校:高校は赤点があるから低い点数を取らない様に真面目に授業に取り組んできました。
[具体例]
自分は高校で学力が一気に伸びたと思います。中学の時は、高校に行ければどこでもよいと思っていたけど、高校生になって行きたい大学を見つけたので合格できるように沢山勉強しました。
【I】
小学校:小学校のころは、まだ勉強もそこそこできました。でも普通の人たちにくらべ ると元気はよくやんちゃでした。
中学校:中学校では、学校の友達も変わり、勉強はほったらかしで遊びまわっていました。授業にもあまり出ず勉強なんてまったくわかりません。でも一つだけマジメにしていたことは、部活の柔道でした。おかげで1年半くらいで黒帯をとりました。
高校:高校は2回目ですが、勉強はやっぱり身につきません。いまさら勉強してもという気にどうしてもなってしまうからです。でも自分なりに頑張っているつもりです。
[具体例]
一番伸びたと思うのは、一番学校に行っていなかったけど、中学校の時だと思います。それはやり始めるとけっこうすぐに覚えたり身に付いたりしたので、勉強だけでなくスポーツとかも、なのでそう思う。
【J】
小学校:一番真面目に授業を受けていた時期だと思う。
中学校:不真面目で勉強なんてほとんどしていなかったと思う。
高校:一度熊定を辞め、二度目の入学からやっと今。なんだかんだがんばれたと思う。
[具体例]
小学生の時は、部活をしながら毎日ノート1ページ漢字を書いたりなど一番がんばったし、伸びた時期だと思う。
【感想】
「定時制高校で、学びが取り戻せた」、という話はおもしろいと思います。
中学校までは、「相手にされなかった」けど、定時制高校では「生きるため、働くための力をつけてくれる」、「それも一人一人のスピードの応じて」といった感じでしょうか。
総じて、人としてきちんと対応してもらえた、という実感があるのでしょうか。
このあたり、生徒との具体的な「こゆい」対話をふまえて、聞かせてもらえると有益だと思います。(白石)
Q小学校・中学校・高校での学習(授業を中心に)を振り返り、それぞれの時期での あなたの学習の様子を述べてください。また自分の学習に関するちからは、どの時が一番伸びたと思うか具体例をあげて説明して下さい。
(原文のまま)
[機械科4年]
【A】
小学校:勉強ををまともにしてません。
中学校:授業中も音楽をきいたり友達と話したりねてたりしてました。
高校:高校でやっと勉強をはじめました。
[具体例]
小学校・中学校は学校に行くだけで学年が上がれたので、そんなに勉強のことを気にしてませんでした。でも高校になったらちゃんと勉強をしないとしんきゅうができなくなるからちゃんと勉強をはじめました。
【B】
小学校:まともに、学校にすら行ってませんでした。
中学校:学校にいても勉強という勉強はせずに、マジメに授業を受けていませんでした。
高校:マジメに授業を受けていたと思う。
[具体例]
自分は学習に関してだけでなく、他の事も高校に入ってからが一番伸びたと思います。それまで学校にまともに行かず勉強という勉強をしていなかった自分が高校に入ってからは心を入れかえて、マジメに授業を受けたところ、それまでは考えられないようないい点数をとれるようになりました。
【C】
小学校:まじめにうけていました。しゃべらずに先生にあたえられた課題をこなしていました。
中学校:まったく学校に行かずに遊んでました。たまに学校に行ったとしても机の上で寝てました。
高校:初めの2年間はたまにさぼってましたが、後の2年はがんばって全部いきました。
【D】
小学校:1、2,3年生までは学校に行き、4,5,6年からは行かなくなった。
中学校:中学もほとんど行かなかった。
高校:ほとんど休まないで今まで来た。一番のびた。
[具体例]
学校に来ること、授業をうける事が、今までとは全然違い勉強をすることでのびた。
【E】
小学校:普通に授業を受けていた。
中学校:あまり授業を受けてなかった。
高校:普通に授業を受けていた。
[具体例]熊定に入った時、赤点になるのが嫌だったから勉強した。
[電気科4年]
【F】
小学校: 小学校の時は普通に授業を受けて普通に理解できていたと思います。小学校の授業はちゃんと聞いていれば理解することができていました。
中学校:中学時代はほとんど学校に行ってなくて、家庭でも自分で勉強することはありませんでした。だから、たまに授業を受けても内容が理解できていませんでした。
高校:高校に入ってからは、先生がしっかりと中学でならうような基礎を教えてくれていたので、中学でのおくれを取りもどせました。
[具体例]
私は、高校に入ってからが一番勉強に対する力がついたと思います。高校一年生の時には平均的な点数がとれるようになり、それから高い点数をとって、自分はやれば出来るんだと思えるようになりました。それからは高い点を取らないと気が済まなくなり、勉強って楽しいんだなと思えるようになっていきました。
【G】
小学校:問題を理解していくことが楽しく、自分から進んで学習に取り組んでいたと思う。
中学校:理解することが難しくなってきて、なかなか勉強することがなかった。
高校:専門的な勉強は入学してすぐの時期は頑張っていた。
[具体例]
高校に入学した一年目、中学の時に勉強してなかった分、少しは取り戻そうと努力した。
【H】
小学校:正直、小学生の時自分が真面目に勉強していたかどうか、あまり覚えていません。たぶん授業中は寝てばかりいました。
中学校:中学校では数学とか英語が出てきて理解できず、全然授業についていけませんでした。
高校:高校は赤点があるから低い点数を取らない様に真面目に授業に取り組んできました。
[具体例]
自分は高校で学力が一気に伸びたと思います。中学の時は、高校に行ければどこでもよいと思っていたけど、高校生になって行きたい大学を見つけたので合格できるように沢山勉強しました。
【I】
小学校:小学校のころは、まだ勉強もそこそこできました。でも普通の人たちにくらべ ると元気はよくやんちゃでした。
中学校:中学校では、学校の友達も変わり、勉強はほったらかしで遊びまわっていました。授業にもあまり出ず勉強なんてまったくわかりません。でも一つだけマジメにしていたことは、部活の柔道でした。おかげで1年半くらいで黒帯をとりました。
高校:高校は2回目ですが、勉強はやっぱり身につきません。いまさら勉強してもという気にどうしてもなってしまうからです。でも自分なりに頑張っているつもりです。
[具体例]
一番伸びたと思うのは、一番学校に行っていなかったけど、中学校の時だと思います。それはやり始めるとけっこうすぐに覚えたり身に付いたりしたので、勉強だけでなくスポーツとかも、なのでそう思う。
【J】
小学校:一番真面目に授業を受けていた時期だと思う。
中学校:不真面目で勉強なんてほとんどしていなかったと思う。
高校:一度熊定を辞め、二度目の入学からやっと今。なんだかんだがんばれたと思う。
[具体例]
小学生の時は、部活をしながら毎日ノート1ページ漢字を書いたりなど一番がんばったし、伸びた時期だと思う。
【感想】
「定時制高校で、学びが取り戻せた」、という話はおもしろいと思います。
中学校までは、「相手にされなかった」けど、定時制高校では「生きるため、働くための力をつけてくれる」、「それも一人一人のスピードの応じて」といった感じでしょうか。
総じて、人としてきちんと対応してもらえた、という実感があるのでしょうか。
このあたり、生徒との具体的な「こゆい」対話をふまえて、聞かせてもらえると有益だと思います。(白石)
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