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新谷威・笹山尚人・前澤檀 『働くルール』の学習」(きょういくネット) [例会報告]

特別講座ではさらに発展させて、新谷威(しんたにたけし)中学校数学教師・笹山尚人弁護士・前澤檀(まゆみ)著「子どもたちにこれだけは教えたい『働くルール』の学習」(きょういくネット)の「働くルールの基礎知識(9)」を使って班討論をしました。

「歯科衛生士として病院に勤めていたY子さん。病院の都合で歯科を廃止して内科と内科病棟だけに。事務長から『明日からやめてもらいます。突然のことなので規定の退職金に加えて1ヶ月分の給料を余分に払います』」

Q1 このときの病院のやり方は、法律に照らして間違っていないと言えますか?
Q2 間違っているとしたらどんなところが間違っていると思いますか?
Q3 あなたなら、こんな時どうしますか?

「先ほどの労働基準法に照らし合わせると、1ヶ月分の給料を払うといっているから、法律違反とは言えないなあ」
「経営の都合で歯科をやめるって言っていたけど、具体的に説明がなかった」
「会社の都合だから、次の職場を探してほしい」
「内科でも働ける場所を見つけてほしい」 

 法律だけで考えると押し切られてしまいます。「働く権利」が突然奪われたと考え、説明を求め、要求をしていくことが必要ですね。次のように「基礎知識」として書かれています。
 
(1)「やめてください」は「解雇(クビ)」なのか「退職勧奨」(「お願い」で、や めるかやめないかは労働者の自由意思に委ねられている)なのかを質問して、は っきり回答させる

(2)退職勧奨であると回答してきた場合には「私はやめません。他の部署で引き続 き働かせて下さい」とはっきり意思表示をする

(3)解雇であると回答してきた場合は、「このような解雇は法律上も許されないも の(*)で、受け入れるわけにはいかない。労働基準監督署や裁判所に訴え出て、 徹底的にたたかう!場合によっては地域の労働組合にも応援してもらう用意があ る」と宣告する
 
上記のことは実際にあった話で、病院の経営者が歯科を訪ね「これは退職勧奨であり、強制ではない。希望する人には他の部署で引き続き働いてもらうことにする」という回答があったそうです。
 このように基礎知識があれば同じ職場で働くこともできますが、知らなければ明日から路頭に迷うことになります。大きな違いです。実際には知らないままに就職し、解雇にあっている若者がたくさんいます。高校で「働く者の基礎知識」を教育する必要性を痛感しています。

(*)整理解雇4要件
 会社の経営上の都合でやめさせることを「整理解雇」といいますが、この場合裁判所の判決などで次の4要件を満たさなければならないとされています。
 ①人員削減が会社の経営上必要であること
 ②会社が事前に解雇を避けるための努力をすること
 ③人員整理基準が合理的かつ公平で、人選も合理的であること
 ④労働者に十分説明し、納得得られる努力をしたこと

★最近はこの4要件を満たさない解雇が多く、裁判所も追認し、厳しい状況です。 2月23日の例会では、熊本県医労連書記長の中嶋啓子さんが現状を報告されます。 
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