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「変形労働時間制と裁量労働制って誰にとっていいの?」 [例会報告]

 高生研大会の特別講座では、文科省の言う「キャリア教育」とは違う、「労働者になる高校生のため」の模擬授業を行いました。この授業は、昨年6月に教育実習生としてやってきた青木天志くん(熊本県立大4年・総合管理学部)と一緒に考え、熊本学園大学付属高校の1年生(現代社会)と3年生(選択・政経)で実際に行ったものです。
 
 青木くんは県立大の明石先生のもとで研究をしており、「ワークショップ」に主に取り組んでいるそうです。そのため授業も一方的な教授型の講義式ではなく、グループを作って班で話し合いながら進めていく方式にこだわりました。その一つが今回の「変形労働時間制と裁量労働制って誰にとっていいの?」です。
 
 授業開き(アイスブレーキング)も得意で、今回は「後出しじゃんけん(負けを出す)」で雰囲気を和らげました。(本人も現職の先生方を前に模擬授業を行うというので始まるまでは大変緊張していましたが、始まってみると「ベテラン教師」並の堂々たるものでした!)

 配られたワークシート「新しい労働形態」には、「フレックスタイム制」「変形労働時間制」「裁量労働制」の図入りの説明が書かれており、班ではそれぞれの労働形態が労働者にとって、会社にとってどんな利点および問題点があるのかを話し合いました。

*「フレックスタイム制」
 出社時間と退社時間を自由に決められるので、小さな子どもがいる家庭では、保育園の送り迎えがなどができる。渋滞を減らせる。体調が悪いときには早く帰れる。労働者のやる気が出る。

*「変形労働時間制」
 繁忙期には労働時間を長くさせる分、閑散期にその分を短くさせる。一定条件を満たしていれば、一日の法定時間を超えて働かせることができる。
 短時間で済む時期は早く帰れるからモチベーションが上がるが、忙しい時期は長時間労働になるので大変。会社は残業代を少なくすることができる。

*「裁量労働制」
 やるべき仕事の量が決まっており、その仕事に対してもともと決められていた賃金が発生する。いつ、どのように、どれだけ時間をかけてその仕事をやるかは、労働者個人に任されている。仕事をやり遂げたどうかを評価される。実際は1日8時間、週40時間で終わることはなく、長時間労働の実態を覆い隠し、不払い残業を合法化している。「名ばかり店長」はその一例である。

 生徒と同じく活発な意見や疑問が出て、それぞれの労働形態の特徴と問題点について深めることができたようです。このような労働形態をプリントで説明しただけでは、印象にも残らず忘れてしまいます。しかしこのようなワークショップ形式は時間はかかるけど、生徒は眠ることはないですし、知識として身につきます。
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